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テレワークで雇用創出!三重県熊野市が仕掛ける住民のリ・スキリング

こんにちは。地方創生のエキスパート、イマクリエ代表取締役の鈴木です。
Amazon売上ランキングでベストセラー第1位を獲得した私の著書『日本一わかりやすい地方創生の教科書』に取り上げたテーマを分かりやすく解説する記事をシリーズでお届けします。

この記事では、テレワークを活用した雇用創出に取り組んでいる三重県熊野市の事例を紹介します。


熊野市が抱える課題

熊野市も、他の地方自治体と同様、若者や女性の減少問題に直面しています。そこで熊野市では、「安定した雇用を創出する産業づくり」と「子育て支援」、「介護者の支援」などを目的にテレワークを活用した雇用創出を目指して、市内在住の方を対象にした「在宅ワーク入門セミナー」を開催しています。

熊野市は、「テレワークを活用した雇用創出」を単年の事業ではなく、数か年の中長期的な事業として推進していて、在宅ワーカー育成セミナーは、令和4年度から3年連続で開催しています。

イマクリエは、熊野市から在宅ワーカー育成セミナー事業を受託しており、市が目指す「テレワークを活用した雇用創出」の実現に向けてセミナーの企画と運営を行っています。

熊野市で行った在宅ワークスキルアップセミナー

それではここからは、熊野市が行った「在宅ワークスキルアップセミナー」の概要をご紹介しましょう。

本セミナーは、市内在住で在宅ワークに興味のある方、 産休・育休中で在宅ワークを始めてみたい方、 在宅ワークで副業を始めてみたい方などを対象に行いました。

1年目(令和4年度)

1年目の令和4年度に行ったセミナーは、前半・後半の2部制で行われました。第1部では、テレワークの基礎知識の解説を行い、第2部では、実際にテレワークで働いている、全国のテレワーカーが参加する座談会形式で、テレワーク勤務の体験談のシェアと、質疑応答が行われました。

このように、熊野市の1年目の取り組みはテレワークの入門編からのスタートとなりました。国の方針では、もっと専門的なスキルの学び直しの講座が相応しいのですが、地方には、そもそもデジタル人材が少ないので、こういう入門編からスタートするのが現実的であると言えます。

2年目(令和5年度)

2年目の令和5年度は、1年目の入門編よりレベルアップした内容でセミナーが開催されました。
令和5年度のセミナーは、全6回の講座で構成されています。
対面でのコミュニケーションができないテレワークでよく使われる、グループウェアの使い方を学んだり事務系業務の基本であるワードやエクセルの基礎を学ぶ講座。また、テレワーク初心者でも、比較的仕事を得やすい業務として人気のコンタクトセンターの仕事に必要な基礎を学ぶ講座がありました。

1年目と比較すると、2年目の内容は「受講後に、参加者が実際に就業することを念頭に置いた内容」になっていることが分かると思います。ここには、熊野市役所の担当職員の方々の強い思いがありました。

それは、「昨年度のセミナーで在宅ワークの概略は知ってもらったので、今年度は実際に働くためのスキルを身に付けて欲しい」「可能ならばその先の、就業に結びつけたい。」という願いでした。セミナー参加者の中には、普段パソコンはあまり使わないというデジタル・ビギナーの方もいましたが、初心者であっても、段階的にテレワークのスキルを身につけて、実際に就業までたどり着きたいという参加者は少なくありません。むしろ、これが現在の地方の実情でもあると思います。

3年目(令和6年度)

熊野市の「在宅ワーカー育成セミナー事業」の3年目となる令和6年度は、2年目からさらに1歩進んで、より就業につながる講座内容を企画しています。

イマクリエは、自社で日本全国からテレワーカーを多数採用していますので、スキルアップ次第では受講生のみなさんに弊社から仕事を提供することも可能です。そのほかにも、地元のハローワークと提携して、テレワーク人材を就業にまで結びつけるなど様々な取り組みを行っています。

まとめ

今回は、テレワークを活用した雇用創出に取り組んでいる三重県熊野市の事例を紹介しました。

この記事を通じて、地方創生に興味を持っていただけた方には、東洋経済新報社から発売した私の著書『日本一わかりやすい地方創生の教科書』を手に取っていただきたいと思います。

「発想の転換」で、「地方」こそ劇的に変わる!問題解決のヒントになる先行事例を多数紹介していますので、地方創生に関わる方、地方創生に興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

今後も皆さんが地方創生について学び、実践できるような情報をお届けしていきます。次回の記事をお楽しみに!