見出し画像

\管理職 必見/ハイブリッドワーク マネジメントの『べき・べからず』集 ~前編~

新型コロナウイルス感染症が、インフルエンザなどと同じ5類感染症に移行してから、テレワークを止めて完全出社に戻ったという話をよく耳にするようになりました。

一方で、転職希望者が企業を選ぶ際に、特に重視するようになったことのトップには「テレワークができるか」が選ばれており、労働力人口が減り人手不足が深刻になっていく中で、「柔軟な働き方」ができる職場環境の整備は、企業が採用競争力を保つうえで重要な要素になっています。

これから前編・後編の2回に分けて、ハイブリッドワーク マネジメントで「すべきこと、すべきでないこと」をご紹介します。

ハイブリッドワークとは
ハイブリッドワーク マネジメントで「すべきこと」
1. 出社の意味・目的を再定義する
2. 適切なテクノロジーへの投資
3. 情報格差をなくす
4. 若手社員など疎外感を感じやすいメンバーのケア
まとめ

ハイブリッドワークとは

ハイブリッドワークとは、例えば週に2日は在宅で働き、週に3日オフィスに出勤するといったように、出社とテレワークを組み合わせた働き方を言います。

フルリモートワークで課題となりやすい社員間の関係構築やコラボレーションなどは出社時に行い、集中して行いたい作業や調査などは邪魔が入らない自宅で行うなど、業務内容に応じて働く場所を柔軟に変えるワークスタイルです。

リサーチ・アドバイザリー会社大手のガートナーによると、新型コロナウイルスの終息に伴い、ハイブリッドワークで働く人は増えてきており、2023年末までに世界で39%になると予想しています

ハイブリッドワーク マネジメントで「すべきこと」

1. 出社の意味・目的を再定義する

社員は、一日中机に座るためだけにオフィスに通勤する必要はありません。それならば在宅勤務で十分なのです。一人でもできる作業は、むしろ邪魔の入りにくい在宅勤務の方が集中して取り組むことができます。ハイブリッドワークの生産性をあげるために、テレワークに向く仕事と、オフィスで行うべき仕事を再定義しましょう。

下記の図は、オフィス勤務時にやるべきことと、テレワークに向く業務のタイプの例を示したものです。

                                          

オフィスは、社員がコミュニケーションを交わしコラボレーションを実践する場所。出社の意味を考える際には、社員同士のつながりの構築や会社のカルチャーを感じるための時間にもっと重点を置くべきです。 出社の意味・目的が定まったら、次は、組織あるいはチームとして、テレワークと出勤の最適なバランスはどうあるべきかについても検討しましょう。   

2. 適切なテクノロジーへの投資

ハイブリッドワークで仕事の生産性を維持するためには、多様な働き方に対応するITツールの用意が不可欠です。ただしここで言っているのは、Zoomのようなビデオ会議システムやビジネスチャットなどのコミュニケーションツール、GoogleやMicrosoft Teamsなどのグループウェアとファイル共有ツールに限った話ではありません。

テレワークを効果的に行うためのツール例

ナレッジ共有ツール
ナレッジ共有ツールは、会社が保有する情報と、社員が持っている経験や知識などを共有するためのツールです。具体的には、業務の進め方、クライアントの情報、過去実績などをツールで管理し、必要な人が必要な時に閲覧することができるものです。ナレッジ共有ツールは、特に新入社員や部門異動をした社員が業務を進めていくうえで、業務時の不明点を調べる際などに役立ちます。

タスク管理ツール
進行中の業務の進み具合を可視化し、チームメンバーと共有することができるツールです。納期・スケジュールの管理機能を活用し、チーム内でお互いのタスクの進捗状況や期限を確認することができます。チーム内で、誰がどの業務をどこまで進めているのか、誰がボールを持っているのか、お互いの進捗状況を把握し合うことで、業務をより効率的に進めることができます。

バーチャルオフィスツール
オンラインの仮想オフィス空間にログインし、自分のアバターを使って仮想オフィス内を自由に動けるため、同僚とオフィスで一緒に働いているような感覚が得られます。
会議中・離席中などの情報が可視化されるため、お互いに相手の状況を一目で把握することができます。バーチャルオフィスツールを利用するメリットとして、社員間のコミュニケーション促進とサボり防止があげられます。

3. 情報格差をなくす

コロナ渦でテレワークが始まってから、参加すべき会議の数が増えたと感じた人が多いのではないでしょうか。これは従来のオフィス勤務であれば、オフィス内での雑談や、さっと机に立ち寄って声を掛ければできた会話ができなくなり、多くのコミュニケーションがオンライン会議に置き換わったことが要因だと言われています(*3)。

その後テレワークに慣れてくると、参加する会議を取捨選択したり、会議に呼ぶ人を少なくしたりと、時間効率を重視した会議の運用が行われるようになりました。その結果、会議に呼ばれずに、業務に必要な情報を得る機会を逃してしまう人が発生することになりました。

また、出勤している人と在宅勤務の人が混在している場合、オフィスでの雑談中に伝達された情報が、テレワークをしている人に共有されないというような問題が発生します。テレワークをしている人にとっては、蚊帳の外におかれているように感じてしまう可能性があります。このような情報格差をなくすために、重要な会話や意思決定が、その場にいなかった人にも確実に共有できる仕組みを作りましょう。

4. 若手社員など疎外感を感じやすいメンバーのケア

若手社員は在宅勤務の際に、十分な指導やネットワーキングの機会が得られずに、成長の機会や仕事において重要な人間関係構築の機会を損なう可能性があります。その結果、孤独感を感じて、組織に対するコミットメントが下がり、離職に繋がることもあります。

若手社員の上司やメンターは、出社勤務の際には、特に彼らと多くの時間を共有することに焦点を当て、普段の仕事に対するフィードバックや、困り事がないかの確認を丁寧に行うとともに、若手社員をしっかりと巻き込んだチームビルディングを実施することをおすすめします。

まとめ

今回は、ハイブリッドワーク マネジメントで「すべきこと」を4つご紹介しました。みなさんの職場で、既に取り組まれていることはありましたか?ハイブリッドワークで働く部下を持つ管理職の方々の参考になりましたら幸いです。

次回「後編」では、ハイブリッドワーク マネジメントで「すべきでないこと」をご紹介します。どうぞご期待ください。


出典