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女性が住みたくなる町づくりを目指した地域のテレワーク〜地域にスキルを還元できるテレワーク人材育成への取り組み〜

※本記事は2021年6月に執筆し、株式会社イマクリエの会社ホームページに掲載していた記事をnoteに移管しています。


テレワークが解決する育児世代の女性の就労課題 〜長野県上水内郡飯綱町〜

長野県北部に位置する上水内郡の町、長野県上水内郡飯綱町。長野市市街地から車で30分ほどの場所に位置し、町の人口は約10, 000人。標高1,917メートルの飯縄山の麓に広がる、澄んだ空気と豊かな水源に育まれたのどかな町で、りんご栽培を中心に農業が主な町の産業となっています。

この地域では、全国や県内の他地域に比べ、比較的早いスピードで人口が減少していること、20~39歳の女性が特に減少しているという社会課題を解決するために、子育て世代のテレワーク推進に取り組んでいます。

10年後のまちづくりの指針となる「第2次飯綱町総合計画」(平成29年)に向けて実施した子育て中の女性を対象とした仕事に関するニーズ調査によって得られた、「年間を通して安定した収入を得られる仕事が少ない」「子どもがいても働きやすい職場が欲しい」などといった地元住民からの声を踏まえ、町の子育て支援係が中心となって、託児所併設の就労支援施設「飯綱町ワークセンター」を開設。パソコンやプリンターを自由に使えるようにするなど、テレワーク環境の整備を行うと同時に、地元テレワーカーの人材育成を通して、女性が活躍できる地域環境の実現に向けた取り組みを実施しています。

「日本一女性が住みたくなる町」を目指す飯綱町のテレワークとは?

飯綱町では、この流れの中で「日本一女性が住みたくなる町」というコンセプトを掲げ、女性の“働き方改革支援”を「第2次飯綱町総合計画」にも盛り込んでいます。このコンセプトの元、飯綱町が目指すのは、「日本一女性が住みたくなる町」の実現に向けた子育て世代のテレワーク。つまり、テレワークを活用することで、子育て世代の多くの女性がテレワーカーとして安定した仕事を得ることで、育児と仕事を両立させ、日本一女性が住みたくなる町になることを目指しています。

この取り組みの第一歩として、イマクリエは2019年12月に、飯綱町民を対象にテレワークについての無料セミナーを実施。町の告知に地元住民のテレワーク希望者約30名が参加し、イマクリエがテレワークの現場や市場の動向などを詳しく説明。実際にイマクリエでテレワーカーとして活躍する国内外のスタッフもリモート参加し、テレワークに関する生の声として紹介しました。

イマクリエではこのセミナーをきっかけに、地元企業と連携し、地元のテレワーク希望者に対して、テレワークの知識やノウハウを提供するほか、テレワークのために必要なITスキルを身につけるためのオンライントレーニングを企画・実施。トレーニング後の雇用の確保を通して、育児中の女性を中心に、地元テレワーカーへの仕事を安定して作るためにの仕組みづくりをサポートしています。

地域を主役とした地方創生のためのテレワーク導入
〜在宅ワークスキルアップ パワーポイント講座〜

長野県飯綱町におけるテレワーカー育成事業において、イマクリエのテレワーク人材育成の取り組みとして、2020年7月から段階的にセミナー、座談会、体験会を実施。3回に分けて毎月実施したテレワーク座談会では毎回5-6名のテレワークに興味のある地元住民とイマクリエのテレワーカーが参加し、オープンディスカッションを実施しました。イマクリエが目指すのは、地域を主役とした地方創生のためのテレワーク支援です。イマクリエで働く育児ママ、海外テレワーカーのテレワーク体験を元に、妊娠・出産や育児、介護、海外在住等で働き方が限定され、仕事を諦めざるを得ない女性に対し、在宅ワークのメリットやテレワークでの働き方を提案。地方在住のテレワーク未経験者の在宅ワーク、自身のITスキル、仕事と育児の両立、ライフスタイル等に関する不安や質問に対して、暮らしと仕事を融合させたテレワークという働き方を実現させるコツや工夫について、オープンなディスカッションを行いました。

その後、2020年11月からはオンラインでの「在宅ワークスキルアップパワーポイント講座」を実施。約3カ月間で、テレワーカーとして高レベルの業務を請け負えるスキルを身につけてもらうために、育児ママ世代を中心に15名が受講。現地とリモートで運営チームをつなぎ、全6回の講座をオンラインで実施し、各回の講座終了時には、次回の講座に向けて課題を設定。受講生はオンラインのチャットツールで講座内容や課題に対する質問はいつでもイマクリエの運営チームへ聞くことができるオンラインでの学習環境を提供しました。トレーニングを終了した受講生は、実際にイマクリエのプロジェクトにメンバーとして参加し、テレワーカーとして活躍しています。

地域にスキルを還元できるテレワーク人材の育成を目指して
〜2021年の実施プログラム〜

育児世代の女性の就労支援を目的として始まったテレワークを活用した飯綱町での人材育成支援の取り組みは、2021年度も継続して実施しています。2020年の取り組み実績として、トレーニングを終了した受講生が、実際にイマクリエのプロジェクトにメンバーとして参加し、テレワークの仕事へつながったことで、今後も一人でも多くのテレワーカーの雇用の確保へつなげていきたいという地域の想いを実現させるための新たなプログラムを実施する予定です。

イマクリエが目指すのは、地域を主役とした地方創生のためのテレワーク支援。2021年5月をスタートに、6月、8月の合計3回で実施予定のテレワーク座談会では、「起業」や「農業」などといった「地域でのテレワーク」をテーマに、地元住民とイマクリエのテレワーカーのオープンディスカッションを企画しています。

また、6月からは今年はさらに幅広いITスキル取得をゴールに、前年度に実施したパワーポイント講座に加え、エクセルやワードなど、各受講生のパソコンスキルのレベルやテレワークでの仕事のニーズに対応したITスキルアップオンラインプログラムを実施予定です。当講座には今年も育児世代の女性を中心に約40名の参加者を見込んでいます。テレワーカーは自身のスキルを高めることで、自身の就労の機会へ繋げることができるということを地元のテレワーカーに伝えると同時に、地域にスキルを還元できるテレワーク人材の育成を目指して、イマクリエは飯綱町のパートナーとして、取り組んでいます。

テレワークを活用することで、子育て世代の多くの女性がテレワーカーとして安定した仕事を得ることで、育児と仕事を両立させ、日本一女性が住みたくなる町になることを目指す飯綱町の新しい取り組みは、始まったばかりです。