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コロナ禍に、テレワークで社会人になったアメリカのZ世代が抱える問題とは?

※本記事は2022年10月に執筆し、株式会社イマクリエの会社ホームページに掲載していた記事をnoteに移管しています。


Z世代とは

Z世代(アメリカではジェネレーション Z)
1990年半ばから2010年はじめに生まれた世代で、2022年時点では、ティーンネイジャーから25歳になっている
2022年時点で10代~20代半ばの若者で、生まれたときからインターネットがあった時代を生きてきたため「デジタルネイティブ」とも呼ばれる
日本では、令和のはじまりとともに社会人になった世代でもある

ミレニアル世代(アメリカではミレニアルズ)
1980年はじめから1990年半ばに生まれた世代で、2022年時点で、20代後半から40代前半になっている
インターネットの発展と一緒に成長したため、ITリテラシーが高いのが特徴
10代のころからSNSを使っていることが多く、人とインターネットでつながることに抵抗がない
また上の世代と比較して、「個」「個人」を重視する傾向があると同時に、他者については多様性を受け入れる

Z世代

インターネットの発展と一緒に成長したため、ITリテラシーが高いのが特徴。10代のころからSNSを使っていることが多く、人とインターネットでつながることに抵抗がない
また上の世代と比較して、「個」「個人」を重視する傾向があると同時に、他者については多様性を受け入れる

テレワークで社会に出たZ世代の抱える不安

アメリカの求人情報専門検索エンジンindeedが、18歳~41歳(Z世代、ミレニアル世代)の1,001人に対して行ったアンケート調査によると、アメリカでもコロナ禍で企業のテレワークが進んだため、Z世代の回答者のうち 82%はフルタイムでのオフィス勤務経験がなく、フルタイムのオフィス経験がないZ世代のうち

▶ 92%は、従来型のオフィスワーク経験を持たなかったことを残念に感じている
▶ 85%は、テレワーク勤務で社会人になり、フルタイムのオフィスワーク経験がないがゆえに「ソフトスキル」を身に着けられていないと危惧している
▶ 26%は、上司や先輩からの指導を受ける機会が足りないと感じている

コロナ禍に学校を卒業し社会人になった若者は、キャリアをテレワークで始めました。2年半が経ったいま、彼らは出社時には上司や先輩と一緒に仕事をすることで学びたいと考えていますが、その上司や先輩たちも多くの場合、テレワークあるいはハイブリッドワークをしているので、Z 世代が出社した日に、上司や先輩と一緒に対面で仕事をできるとは限りません。

上司や先輩に当たる世代は、コロナ禍以前にすでにビジネス上に必要なソフトスキル、マネジメントスキルを身に着け、ビジネス上のネットワークも構築済みです。そんな彼らにとっての現在の優先順位は、仕事と育児や家庭の両立などで、通勤に長い時間をかけてオフィスに出社するモチベーションは低く、会社が許せばできる限りテレワークをしたいと考えています。

テレワーク環境では、上司と定期的にオンラインでのワンーオンーワン・ミーティングを行っている人が多いと思いますが、給湯室でコーヒーを入れながらちょっとした相談事をしたり、オフィスの廊下で立ち話をすることで築かれる人間関係は、バーチャルの世界では得ることが難しいのです。

Z世代の抱える矛盾

それならば、コロナウイルスの流行が落ち着いてきたいま、Z世代は毎日オフィスに出社して、上司や先輩の出社日に対面で一緒に働く機会を逃さないようにすべきではないかという考えが頭に浮かぶ人もいるでしょう。

ここで興味深いのは、Z世代は、毎日フルタイムで出社してオフィスで働く従来の勤務をほとんどしていないが故に失ったものがあることに気付いている一方で、選択肢があるならば、今後もテレワーク可能な仕事でのハイブリッドワークを望むと言います。

▶ 89%は、フルタイムでオフィスワークをすることで得るメリットよりも、テレワークのメリットの方が大きいと回答
▶ 84%は、フルタイムの出社によるオフィスワークを求められる仕事は選ばないと回答
▶ 60%は、今働いている仕事で、フルタイムの出社によるオフィスワークを求められたら、仕事を辞めると回答

この最新の調査で最も顕著な結果の1つは、Z世代が年上の世代よりもはるかに頻繁に転職する傾向があるということです。

今働いている仕事で、フルタイムのオフィスワークを求められたら、仕事を辞めると回答したZ世代は、ミレニアル世代よりも28%も多かったのです。

入社以来、テレワークを中心に働いてきた彼らは、上司や先輩のみならず、同期や年齢の近い同僚とも十分な時間を対面で過ごしていないため、職場における人間関係は希薄で、会社へのコミットメントの気持ちがとても弱く、転職を厭わない傾向があります。
つまり、Z世代の抱える悩みを解決するために、彼らにフルタイムの出社を促すことは、想定外の離職という他の問題を産む可能性があります。

会社は、ハイブリッドワークを維持しながら、Z 世代がオフィスで上司や先輩、同期や同僚とある程度頻繁に顔を合わせ、ソフトスキルを習得したり、指導を受ける機会を持てるように工夫をしていく必要があります。
同時に、Z世代の社員に組織の一員であることをどのように実感してもらうかが、これからの重要な課題になるでしょう。

まとめ

今回は、アメリカのZ世代が抱えるテレワークにまつわる矛盾をご紹介しました。
実は、この問題はアメリカに限ったものではなく、世界共通の問題ではないかと思います。
コロナ禍の緊急事態宣言で、日本でも多くの企業がテレワークを始め、テレワークでキャリアをスタートさせた新社会人も少なくありません。

次回のブログでは、日本のZ世代とテレワークについて見ていきます。乞うご期待!

https://www.imacrea.co.jp/corporate/tw_diagnosis/

出典

https://www.indeed.com/career-advice/finding-a-job/gen-z-millennial-workforce