静岡県の事例から学ぶ「地域密着型の企業誘致」
こんにちは。地方創生のエキスパート、イマクリエ代表取締役の鈴木です。
Amazon売上ランキングでベストセラー第1位を獲得した私の著書『日本一わかりやすい地方創生の教科書』に取り上げたテーマを分かりやすく解説する記事をシリーズでお届けします。
この記事では、自治体からよく聞かれる「企業誘致には、どのような手順を踏めばよいでしょうか?」という疑問にお答えします。
静岡県の企業誘致の取り組み
今回は、工業団地をつくって大手企業の工場を誘致するといった、企業誘致と聞いてみなさんがすぐにイメージされる従来型ではなく、近年、人口の少ない小規模自治体も取り組むところが増えてきている、規模は小さくても若者や女性の働き口として人気の企業、特にIT企業やサービス業などの企業の誘致に取り組む際のポイントや手順についてお話します。
よく、自治体がやっている実際の事例や成功例を教えてほしいと聞かれるので、今回は、書籍にも取り上げた静岡県の企業誘致の取り組みをご紹介しながら解説していきます。
静岡県の抱えていた課題
静岡県は大学が少なく、大学入学時に都会に出た若者が就職時に静岡県に戻ってこないケースが課題とされていました。 そのため、若者が好む業種の企業を誘致して、県外に出た若者を呼び戻す「受け皿」づくりが必要でした。
大きな企業を誘致することだけを目指すのではなく、都会に出た若者や女性がU ターンして「働きたい」と思う、「働きやすい」会社も誘致しようという政策に変わってきました。
企業誘致を成功させる重要ポイント
ITやサービス業など比較的小規模の企業が地方へ進出する場合、進出先で持続可能なビジネスを構築するために、地元との関係性が重要となります。
そこで、企業誘致を成功させるためには、できるだけ早い段階で進出候補企業と地元とのマッチングを行うことが重要になります。
静岡県が行った企業誘致の手順
静岡県では「地元企業や団体、キーパーソンとのコラボレーション」をひとつのキーポイントにして、誘致企業とのマッチングを行い、地元の信頼を得たうえで、誘致を行っています。誘致の手順としては
地方進出意欲の高い企業のうち、静岡県の地域性にマッチする企業を抽出
マッチ度が高い企業に対して、静岡県の企業誘致情報を宣伝し、県内視察ツアーへの呼びかけ
県内視察ツアーは、参加企業と地元関係者双方の希望に合わせたオーダーメイドツアーを実施
視察ツアーでは、地元企業や団体、関係者を紹介して、お互いにWin-Winになる関係を話し合いの中で模索してもらう
地元企業のニーズも含めた地域のよりリアルな情報を知ってもらうことで、企業の進出計画がより現実的なものになります。
まとめ
今回は、企業誘致を成功させるための重要なポイントとその実践的な手法について解説しました。
この記事を通じて、地方創生に興味を持っていただけた方には、東洋経済新報社から発売した私の著書『日本一わかりやすい地方創生の教科書』を手に取っていただきたいと思います。
「発想の転換」で、「地方」こそ劇的に変わる!問題解決のヒントになる先行事例を多数紹介していますので、地方創生に関わる方、地方創生に興味がある方は、ぜひ読んでみてください。
今後も皆さんが地方創生について学び、実践できるような情報をお届けしていきます。次回の記事をお楽しみに!