【テレワーク適応力診断】ベストプラクティス紹介~コンタクトセンター編~
出勤時に優秀な社員が、テレワーク時にもハイパフォーマーであるとは限りません。テレワークには個人の好き・嫌いに加えて、向き・不向きがあるからです。
テレワーク適応力診断は、テレワークのパイオニアである弊社が、適性診断の専門家と共同開発したテレワークに特化した適性検査です。
社員の「テレワークに対する適応性」と、「テレワーク環境での成果創出力」を数値化し、企業がテレワークの導入や実施継続を判断するための材料にしたり、テレワークで成果を上げる組織作りに活かすなど、様々なシーンで活用いただいております。
今回は、電話やメール等で顧客対応を行うコンタクトセンターにおけるテレワーク適応力診断の活用事例をご紹介します。
コンタクトセンターの在宅化
従来、コンタクトセンターと言えば、「センター」という名が表す通り、広いオフィスにオペレーターが並んで座って勤務する形態が基本でしたが、昨今では、コロナ禍の感染症対策を目的にしたコンタクトセンターのDX化、在宅化が進んでいます。
三密を回避する感染症対策という観点では、コンタクトセンターの在宅化は成果を上げていますが、一方で現場からは、在宅化してから応対品質が低下した、オペレーター管理が難しいといった声が上がっているのが実態です。
テレワーク適応力診断とは
弊社では、BCP(事業継続計画)を目的に、2011年に自社のコールセンターにテレワークを導入して以来、10年以上に渡り、在宅コンタクトセンターを運用してきました。また2016年以降は、社内のすべての業務をデジタル化し、職種やポジションに関わらず、原則、社員全員フルリモートの完全テレワーク型ですべての事業を行っております。
昨今では、自社におけるテレワークの経験・ノウハウを活かし、企業や自治体向けにテレワークの導入支援事業を行っており、その過程で、社員のテレワークに対する適応力を数値化するための適性検査である「テレワーク適応力診断」を開発しました。
テレワーク適応力診断は、社員一人ひとりがテレワークに向いているかどうかの「適応性」と、テレワーク環境下で成果を上げる素養としての「成果創出力」を備えているかを測る適性検査です。オンラインでいつでもどこでも受けることができ、検査開始から受検を終了し、結果が出るまでわずか10分以内と、簡単で手軽に受検できるのが大きな特徴です。
在宅コンタクトセンターでのテレワーク適応力診断の使い方
在宅コンタクトセンターが抱える応対品質の低下という課題に対し、テレワーク適応力診断を用いた課題解決へのアプローチをご紹介します。
1. 採用過程で応募者のテレワーク適応力を可視化
オペレーターの採用プロセスにテレワーク適応力診断を組み込み、採用段階でオペレーター一人ひとりのテレワーク適応力を可視化するのが、おすすめの使い方の一つ目です。
在宅コンタクトセンターでの採用において、採用予定のオペレーターがテレワークできちんと仕事をこなすことができる人材かどうかを見極めることはとても重要です。
例えば・・・
・サボらず真面目に仕事をする人かどうか
・トラブルに直面した場合、問題解決するための行動を取れるか
・自分で考え、自律的に仕事を進められるか
などのような、テレワーク環境下で成果を上げるのに必要な素養を備えているかの見極めが必要になりますが、面接だけではなかなか判断が難しいというのが実態です。
テレワーク適応力診断を使えば、このような素養を可視化することができます。診断結果に示された応募者の特性について、テレワークで働いてもらう上で気になることがあれば、面接の場で掘り下げて質問することができ、採用可否を判断する一助にすることができます。
2. 診断結果をオンボーディングプロセスに活用
入社時のオンボーディングプロセスで、テレワーク適応力診断の結果を受検したオペレーター本人と一緒に振り返るのは、診断の効果的な使い方です。
オンボーディングの中では、診断結果を見ながら、テレワークで業務をするにあたっての心配事をオペレーターと会社側の双方向で確認します。具体的には、オペレーターには、心配に感じていることや質問事項がないかを話してもらいます。一方会社側からは、オペレーターの弱み(診断結果で低いスコアが出た項目)について、オペレーターが今後どのように強化していこうと考えているのか、会社側にサポートして欲しいことがあるかなどを一つずつ丁寧に確認します。
またこの場を使って、オペレーターに対してテレワークで仕事を進めるうえでのアドバイスを行ったり、テレワーク時のサポート体制について説明すると良いでしょう。コンタクトセンターでの勤務経験があるオペレーターであっても、テレワーク環境での業務が初めての場合、仕事の進め方などについて不安に感じることが多いものです。スムーズに業務を開始し、在宅コンタクトセンターの仕事に早く慣れてもらうために、気を付けるべきポイントや学ぶべき事項について、オンボーディングの場を使って明確にすることが大切です。
なお、診断結果を使ったオンボーディングプロセスは、人事が行うのも良いですが、可能であれば、配属部門でオペレーターと一緒に仕事をするスーパーバイザーが行うとより効果があると思います。
3. 入社3か月目でテレワーク適応力診断を再受検
オンボーディングを経て業務を開始したオペレーターが仕事に慣れてきた頃、タイミングとしては入社3か月目頃に、オペレーターに再度テレワーク適応力診断を受けてもらい、改めてその時点でのテレワーク素養を可視化します。
2回目の診断を受ける目的は、診断結果そのものを確認することではなく、オペレーター本人に、テレワークで仕事をするうえでの自分の弱みを改めて認識したうえで、成果を出すためにどのような行動を取るべきかを考える機会をもってもらうことにあります。
2回目の受検では、スコアそのものに固執するのではなく、診断結果からの学びとアクションプランにフォーカスし、テレワーク環境で成果を出すオペレーターの育成へとつなげていくことが重要です。
まとめ
いかがでしたか?今回は、在宅コンタクトセンターでのテレワーク適応力診断の効果的な使い方の事例をご紹介しました。
コンタクトセンターは、採用難や社員の離職など、人手不足で苦労しておられる企業も多いと思います。在宅コンタクトセンターのメリットは、センターに出勤できない地域に居住している人材を採用することができる点、また能力も働く意欲もあるのに、通勤ができないがゆえに職に就けずにいる「眠れる労働力」を採用することができる点があります。
採用競争力を上げるために在宅コンタクトセンターを導入する企業は、今後さらに増えていく傾向にあると思います。採用プロセスでのミスマッチの見極めや、効果的なオンボーディングプロセスに、弊社のテレワーク適応力診断がお役に立てれば幸いです。